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足立区出身税理士の海外旅行記

地元の東京都足立区で事務所を開業している税理士の海外旅行記です。

海外旅行体験(アラブ⑩)

 前述の通り、シリアの総合評価はエジプトとヨルダンの中間(多少ヨルダン寄り)であり、エジプトを経験済の私にとって支障はほとんどなかった。加えて、比較的余裕をもって観光したことで、同国内の歴史遺産を十二分に堪能することができた点は本当に良かった。また、シリアはエジプト以上に日本人旅行者が少ないため、街やホテルで出会った際には必ずコミュニケーションを取っており、その際の様々な会話を通じて旅の知識を得ることも多かった。
 ちなみに、私はシリア観光を終えてそのまま帰国したのであるが、私が同国で出会った多くの旅行者は、このままトルコ国内に抜けてイスタンブールから帰国するパターンであった(或いはトルコから入ってシリア→ヨルダンに抜ける逆パターン)。当初プラン策定の段階において、三か国の滞在日数を減らしてトルコを追加するプランも当然検討した。しかし、私の旅行方針として、訪問国においてはできる限り腰を据えて観光・滞在し、同国の魅力を可能な限り堪能することを旨としていた。実際、シリア国内の観光地がいずれも期待を裏切らない素晴らしいものであったことから、この時にトルコを外したことについて別段後悔の念はない。
 一般的な傾向として、首都よりも地方都市、地方都市よりも町村において新たな魅力を発見・堪能できることが多い。無論、日程的な制約が生ずるので可能な範囲での対応となるが、今後もできる限りこの方針を貫くことでこれまで以上に旅を満喫したい。

中野浩志税理士事務所
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海外旅行体験(アラブ⑨)

 平成8年時点のシリアは、現大統領の父親(前大統領)が存命であったが、その長男が暗殺されて間もない時期であり、政治的に十分安定していたとは言えないものの一定の秩序は維持されていたと記憶している。だが、首都のダマスカスでは各所に武装警官が監視しているなど閉鎖的な空気も漂い、喧騒と雑踏の中にも独裁政権下の暗さを併せ持った複雑な町という印象である。だが、それはあくまで町についての評価であり、人々そのものは大変親切で温厚であったと記憶している。
 ちなみに、現地人にとって日本人旅行者は大変珍しいらしく、移動時の車内や街を散策している際には頻繁に声を掛けられた(物売りの場合もあったが、多くの場合には興味本位)。特に興味深いのは、現地人の誰かに道を尋ねると、周辺の人々が次々と集まってあっと言う間に数十人の人だかりができ、皆様々なアドバイスを一生懸命に提供してくれるのである。場合によっては、そのまま呼び止められてお茶やお菓子を馳走になることもしばしばあった。言葉が通じないので、自らが積極的にコミュニケーションを取ることはなかなか難しいのであるが、周囲が何だかんだ騒いでいるので気づけば何となくその場に溶け込んでいるという感じであろうか。
 旅先での人的交流は、旅の大きな魅力の一つである。無論、これは様々な危険やトラブル要因となる可能性も有しているが、それを避けてばかりいては旅の楽しさも半減する。こうしたリスクも十分念頭に置いた上で、その場の状況に応じた適切なコミュニケーションを図っていくことが重要である。

中野浩志税理士事務所

海外旅行体験(アラブ⑧)

 平成24年10月現在、シリアは大規模な内戦状態に突入している。かつて同国を訪問した日本人の一人として大変寂しい思いである。
 この当時のアラブ情勢を極めて簡単に述べると、イスラエル対他のアラブ諸国という構図である。だが、アラブ諸国も決して1枚岩ではなく、エジプト・ヨルダンなどが若干穏健的であるのに対して、シリアは強硬派であり街中にも反イスラエルのスローガンが各所に掲げられていた。ちなみに、シリア入国時のパスポートチェックにおいてイスラエルへ入国記録があると入国拒否されるという話が当時のガイドブックに記載されていた。加えて、湾岸戦争終結から数年が経過してはいたものの余波はまだ残っており、ヨルダンでは出稼ぎ労働者などからイラクに関する話を聞く機会が多かった。
 現在のアラブ情勢は、イラクの民主化や昨年(平成23年)エジプト・リビア・チュニジアで発生した長期独裁政権の崩壊など幾つかの進展はあるものの、全般的に見ればまだ道半ばと言わざるをえない。歴史的に非常に難しい背景があることは重々承知しているが、少しずつ着実に安定・平和への道を辿って欲しいところである。

中野浩志税理士事務所

海外旅行体験(アラブ⑦)

 ヨルダン国内においてトラブルが相対的に少なかったことは前項で述べたが、全くなかったわけではない。忘れもしない、不審者と思われて軍用車で連行された一件である。
 その日はヨルダンの地方都市からアンマンに行く予定であったが、その途中塩水湖で有名な死海に行きたいと考えた。乗合バスの運転手に確認したところ、あるバスが死海に行くので乗って行けとのこと。そのバスに乗って40分ほど経つと美しい湖が見えてきた。だが、湖以外には荒野が広がるだけの何もない場所。やがて運転手から死海に着いたから降りろと言われた。死海に行きたい=死海の畔にある町をイメージしていたのだが、この運転手はそう考えなかったようだ。
 やむなくそこで降車し、町を見つけるために荒野の中をテクテク歩いていると、後ろから軍用車が現れて制止された。「何しているのか?」「なぜこんな場所を1人で歩いているのか?」など厳しめの質問を受けた後、その車両に乗せられて検問所に連れて行かれ、そこでまたいろいろ聞かれた。かなり緊迫した空気であり、理由はわからないが非常にまずい状況に遭遇していることだけはわかった。やがて、検問所の軍人から「アンマンに行く車があるのでそれに乗って行け」と言われ、ヨルダン駐在のアメリカ人夫妻の車に同乗して無事アンマンに辿り着いた。
 幸いにも身体的危害はなかったが、精神的にはかなり疲労した一件であった。後で聞いた話であるが、この日の前日にイスラエル・ヨルダン国境で爆弾テロがあったため周辺区域の警備強化が図られていたとのこと。知らなかったこととは言え、こうした地域を旅する際には細心の注意を払う必要性があることを十分理解した。

中野浩志税理士事務所

海外旅行体験(アラブ⑥)

 この旅行で回った3か国のうち、私が今でも強い好感を持っているのはヨルダンである。エジプトは先のトラブルネタの太宗を占めており、シリアは多少エジプト色があったことに加えて若干閉鎖的な印象があった。それに比べて、ヨルダンは他2か国と比べると経済的に豊かであることなどから人々も開放的で明るく、またトラブルも相対的に少なかったと記憶している。
 こう記述すると、ヨルダンがアラブ諸国の中でも極めて豊かな国であるかのような認識を与えてしまうが、あくまでエジプト・シリアと比較した上での話である。事実、私がアンマンで会った日本人曰く「ヨルダンは何と貧しい国なのか」と。彼はオマーン・サウジアラビアを経てヨルダンに入国してきたため、それらの既訪問国と比べてヨルダンの経済水準を判断したコメントであった。無論、エジプトから入国した私の感想は「ヨルダンは豊かな国」というイメージしかない。実際のところ当時のヨルダンの経済水準は、他のアラブ諸国全体と比べると平均レベル若しくはそれ以下ではないかと思われ、十数年経った今でもその相対的地位はそれほど変化していないと考えられる。
 いずれにしても、同じアラブ諸国でありながら、かくも経済格差があるという事実に改めて驚かされるとともに、これがアラブ諸国を取り巻く大きな課題の一つであることを認識した瞬間であった。

中野浩志税理士事務所

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